「行動と見識」KOUSHIのブログ

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世界のビール ランキング番外編 タイのビール②

今日もタイビールについての記事を続けます。

 

シンハービール」がタイで圧倒的なマーケットシェアを獲得したところまでをお伝えしました。

 

シンハービール」の独占状態が揺らぎ始めたのが1995年頃からです。

先ほどお話しした「ビア・チャーン」が市場に投入された年です。

この「ビア・チャーン」は、タイの巨大財閥の一つであるTCCグループのタイ・ビバレッジ(当時はビア・タイ)の製品です。

 

少し話が逸れますが、TCCグループは、カールスバーグと提携したり、以前ご紹介した「タイガー・ビール」をめぐってハイネケンと争った会社でもあります。

 

シンハー」よりも安価な「チャーン」は、97年の通貨危機の影響もあり、瞬く間に「シンハー」のシェアを奪っていきます。

そして、1995年まで80%以上のシェアを有していた「シンハー」は、1999年には「チャーン」に首位の座を明け渡してしまいます。2000年には「チャーン」がなんと60%以上のシェアを握ります。僅か5年でこれほどまでに状況が変わったのです。

 

ですが、タイ国内のビール業界を牽引してきたブンロード・ブリュワリー社も傍観していたわけでもありません。「チャーン」から遅れること約3年、「チャーン」同様、大衆向け市場に「ビア・リオ(LEO)」を市場に導入します。「ビア・リオ(LEO)」はヒョウのラベルで、今ではタイでは必ず目にするビールの一つですね。

 

この「ビア・リオ(LEO)」は、タイの大衆に受け入れられ、2000年代の半ばに、ブンロード・ブリュワリー社は業界のトップに返り咲きます。

 

現在では、この「ビア・リオ(LEO)」がタイで最も流通しているビールで約50%のシェアを占めています。

 

タイのビール市場で、高級・中価格帯・低価格帯と3区分される価格帯の中で、チャーンとリオが位置する中価格帯がその8割を占めます。シンハーハイネケン同様、高価格帯に位置付けられています。ちなみに、低価格帯に区分されるビールには「アーチャー」というブランドがあり、タイ・ビバレッジが製造しています。日本では馴染みがないブランドですが、タイを旅したことがある方はご存じかと思います。馬のラベルでお馴染みです。

 

今現在もブンロード・ブリュワリー・グループとTCCグループ(タイ・ビバレッジ)の2大ビールメーカーがしのぎを削っています。

 

TCCグループが、「チャーン」の4銘柄(クラシック・ライト・エクスポート・ドラフト)をクラシック1銘柄に統合して販売を強化。トップシェア奪還を狙っています。一方ブンロードは、「リオ(LEO)」、「シンハー」に加えて、新ブランド「Uビール」を市場に導入しました。

 

引き続きこの2社の戦いが続いています。ビール好きの消費者にとってはありがたいですね。