世界のビールを楽しむ カステル・グループ
さあ、世界のビールランキングに戻ります。
業界9位は、「カステル・グループ」です。
カステル・グループ(Castel Group)というフランスの総合飲料メーカーが業界九番手です。
フランス最大のワインメーカーでもある同社が、アフリカのビール市場のライバル企業であった「BGI」という会社を買収して、大きく規模を拡大しました。
このカステル・グループは1949年に、Pierre Castel氏によってフランスのボルドーに設立されました。今でもCastel familyによって運営されています。
もともとはワイン商(ネゴシアン)としてスタートしましたが、その後買収を繰り返しながらビジネスを拡大します。今ではブドウ畑を所有し、醸造、ボトリング、ネゴシアン、販売まで行い、フランスのNo.1ワインメーカーの地位を揺るぎなくしています。
ワインの生産量では世界三位に位置するようです。フランス国内にとどまらず、世界130カ国以上でワインを販売しています。
私は、ワインに詳しくないのですが、それなりの量のワインを飲んできましたので、恐らく同社のワインも飲んでいるはずです。
同社はアフリカ市場にも強く、モロッコやチュニジアといった北アフリカにブドウ畑を有しています。
ビールでも買収を梃にビジネスを拡大してきたようです。1990年にアフリカ市場のライバル企業BGIを買収したのは冒頭にお伝えしましたが、その後もいくつかの買収を重ねて、現在の規模になりました。
正直私はアフリカのビール市場に関しては詳しくありませんが、ビールの消費量が伸び続けているのは確かなようです。ビールに限らず、今後世界で最重要地域となるアフリカ市場をどう攻略していくかが、多くの企業にとって喫緊の課題となっています。
アンハイザー・ブッシュ・インベブがSABミラーを買収した大きな理由の一つが、SABミラーがアフリカで高シェアを有していた地域を手に入れることだったともいわれています。
ハイネケンが、フランス系の総合商社CAFO社と組んで、コンゴやコートジボワールで合弁会社を設立し、ビール製造を行っているというニュースも目にしたことがあります。
なんと、このCAFO社は日本の豊田通商の傘下にあります。豊田通商は2012年にCAFO社に資本参加したのち、2016年12月には完全子会社化しました。
アフリカのビール市場でも、日本企業が奮闘していることは、嬉しい限りです。
カステル・グループのビールはアフリカが主要な市場ですので日本での知名度は低いですよね。実のところ、私もこの会社のブランドのビールも飲んだ記憶はありません。
世界はまだまだ広いですね。もっと旅をしなくてはなりません。