鍵山秀三郎さんのライフワーク「掃除」に心を打たれる
こんばんは。
本日もこのブログにお越しいただきありがとうございます。
今日も鍵山秀三郎さんについてのお話を続けます。
昨日の記事では、以前の勤務先の自動車部品会社のメーカーへの圧力により商品を仕入れることができない状況で、メーカーに在庫になっている「売れ残り」を売ることで創業当初の苦境を乗り切っていかれたことについてお伝えしました。
不屈の精神とは、まさにこのようなことをいうのでしょう。まねようと思ってもできるものではありません。
とはいえ、商売を拡大するためには鍵山さん一人の力では限度があります。
残念ながら、創業当時は高度経済成長期にあったこともあり、ローヤルのような小さな企業に新卒で来てくれる人はいません。
入社を希望してくるのは職を転々としてきた人ばかり。いろいろと辛酸を舐めて心が荒んでいる人が多かったようです。
そうした社員の心を穏やかにしたいと考えた鍵山さんが始めたのが「掃除」でした。
父親譲りの無口で口下手な鍵山さんは、言葉や文章で思いを伝えることができない。だとしたら、職場の環境をきれいにして、心を穏やかにしてもらおう、自分が態度で示そう、との思いでした。
鍵山さんのライフワークである「掃除」がここに始まったのです。
トイレの掃除にとどまらず、社用車の洗車も徹底します。時には家族総出で洗車を行ったこともあるようです。
それでも社員の気持ちは簡単には変わりません。
鍵山さんがトイレ掃除をしている横で、社員は平気で用を足していきます。お礼も言わなければ手伝おうともしない。むしろ、あてつけがましいと批判される始末。
鍵山さんの「掃除」は自社にとどまりません。顧客の店舗やトイレまで掃除しました。
駐車場ではドラム缶で一日中燃やされているゴミから燃えカスの灰が周囲に飛び散っている。ドラム缶に詰まっているゴミと杯を箱に詰めて持ち帰り、ドラム缶を撤去したこともあるようです。
こういった行為はまったく評価されず、逆に「余計なことをするな」と怒られる。中には、掃除がきっかけで取引を中止する会社もあったようです。
冷たい態度を示してきたのは、社員や取引先だけではありませんでした。銀行の担当者や経営学の大学教員から「あなたは経営者に向いていない」というようなことを言われたこともあったとも。
社員からは「こんなことをするから、商売がうまくいかない」、「よそも汚いのに、なぜうちだけきれいにするする必要があるのか」といった反発を受けます。
それでも鍵山さんはトイレ掃除を続けます。ひとりでのトイレ掃除をなんと10年以上も続けるのです。毎朝約40分間を徹底して行う。それも必ず素手で行うのです。
私には到底できません。あなたにはできますか?
鍵山秀三郎さんの著書を読んで行くなかで、私は本当に「心を打たれ」てしまいました。