意思決定基準を明確にすると迷わない
こんばんは。
本日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。
今日は真夏のような暑さでした。6月だというのに信じられませんね。
6月も半分が終わってしまいましたが、もう半月もすると今年も半分が終わってしまいます。
気を引き締めていきたいと思います。
鍵山さんは総売上の約60%を占めるショッピングセンターでの販売から撤退することを決断しました。
その決断を得意先に伝えた時
「あんたの会社は潰れるよ、わかってんの」
と言われた鍵山さんは
「あなたの会社からいじめられて潰れるより社員みんなで努力してそのうえで潰れたほうがましです」
と答えたと言います。
即座にこう言い返すのは、鍵山さんの意思決定基準が明確だったからです。
鍵山さんの取引基準は「取引を続けることによって社員が幸せになれるかどうかだからです」とおっしゃっています。
社員や銀行からは「社長は正気を失ったのではないか」と猛反対されます。
しかし鍵山さんに迷いはありません。
社員に卑屈な思いをさせてまで会社を経営しても意味がないと確信していた。そういう意思決定基準を持っていた。ぶれない、迷わないのです。
とはいえ、この撤退には会社存亡がかかっていたのはゆるぎない事実。
6割もの売上がなくなるのですから当然です。
競合の会社に「あそこは潰れる」との評判を立てられ、メーカーからの仕入れも難しくなる。
銀行への返済も遅れ、瞬く間に借金が膨らむ。
想像していたとはいえ、会社が本当に傾き始めてしまったのです。
この危機的状況を乗り越えるのも鍵山さんの凄さ。
「撤退後、行き嬉々と仕事に従事する社員の表情にはげまされ、危機を脱することができた」
と鍵山さんはさらりとおっしゃっていますが、実態は本当に厳しいものだったようです。
残り4割の得意先に支払いを早くしてもらえるようお願いをしてまわる。寝食を惜しんで東奔西走されたとおっしゃっています。
お客様に無理なお願いをしなければならないほど、追い詰められた状況にあったのでした。
その苦しみを一人で背負い、社員には様子を悟られないようにしたのも、鍵山さんの素晴らしいところです。
「お金を払えますか?」
ローヤルを訪れたメーカーが聞いてきたときに、鍵山さんはこう答えたといいます。
「払えなかったら買いません。払えるから買うんです」
多くのメーカーに対して堂々と答え続けたといいます。
社員が自社の危機的状況を知っていたら、その動揺がメーカーへと伝わり商品を仕入れることができなくなる。そうすると、本当に倒産してしまう。
この考えから、社員には危機的状況を知らせなかった。
本当に恐れ入ります。