「意志力は有限である」 まずはこの事実を認識する
こんばんは。
今晩もこのブログにお越しいただきありがとうございます。
昨日の記事では「意志力は有限である」というお話をしましたね。
まずは、「自制心をたえず維持し続けるのは不可能」という事実を認識することが必要です。
自分の意志の力に自信がある方こそ、このことに気をつけるべきだと思います。
ロルフ・ドベリさんは著書『Think Smart』の中で、「決断疲れ」というテーマの項があります。
前述の心理学者のロイ・バウマイスター博士の別の実験で「集中して何度も決断を繰り返した人の意志力がすでに消耗してしまっていた」ことが確認された、と述べています。
そして、「比較し、吟味し、決断をすると、私たちは疲労困憊してしまう」という事実から、IKEAのレストランが順路の真ん中にある理由や、時間帯によって裁判の判決が変わる、といった例を挙げています。
その上で、この項の冒頭での問いである「プレゼンの『開始時間』は何時が良いか?」に対する答えを導いています。
話が少しそれますが、私は心理学に興味を持っていることからこれまで数多くの書籍を読んできました。ロルフ・ドベリさんが紹介している内容は多くが既知の内容ではあるのですが、改めて学んだような感覚を覚えました。彼の書き方がそう思わせるのかもしれません。
私はドイツ語が分からないため、この日本語訳を読んでいるのですが、原書が読めたらもっと楽しめたかもしれません。
また、日本語訳の書籍を読むときには、訳者との相性も重要です。それによって、その書籍を楽しめるかどうかが大きく変わってきます。
その点、この書籍の日本語訳は本当に素晴らしいと私は感じます。訳者の方が原書の魅力をもれなく伝えてくれているのでしょう。
「決断疲れ」に話を戻します。
この事実を知らないと、自分が知らぬ間に操られていたり、絶好のタイミングを逃してしまうことになるのです。
冒頭に書いたように、自分の意志力に自信がある方は特に注意したほうがいいと感じています。意志力が消耗した状況において、自分の判断の正当性・有益性を信じて疑わないとしても、意志力が満ちていた時には取らない決断をしている可能性が高くなるからです。
この事実を知ったあなたの方が、このことを知らない自信過剰の同僚に勝つ確率を高めることができるかもしれません(笑)。
この事実を知ったうえで、次の方策を考えてみましょう。
明日に続けます。