『戦略読書日記』の最終章 楠木建さんと読書の関係は興味深い
こんばんは。
本日もこのブログにお越しいただきありがとうございます。
今日も楠木建さんの『戦略読書日記』の話を続けます。
この本は隅から隅まで面白いのですが、それぞれの章のタイトルも小気味よいのです。
例えば、
6章 「バック・トゥー・ザ・フューチャー」の戦略思考『最終戦争論』石原莞爾著
10章 身も蓋もないがキレがある 『ストラテジストにさよならを』 広木隆著
21章 センスと芸風 『日本の喜劇人』 小林信彦著
これらのタイトルをみただけも興味をかきたてられませんか。
そしてワクワクしながら本文に突入していき、自分の期待を上回る洞察に圧倒される。この繰り返しで400ページ超を一気に読み切りました。
まったく関連のない21冊かと思いきや、これらの本の中に楠木建さんの思考や信念が強く反映されている、ということが分かります。
何より楠木建さんが「センス」を重視しているということが、いやというほど伝わってきます。
『ストーリーとしての競争戦略』でも強調されていた、「経営に必要なのはスキルではなくセンスである」という主張が、この『戦略読書日記』からもにじみ出ています。
最後は、ロング・インタビューというかたちで、楠木建さんの読書スタイルが披露されています。
この「僕の読書スタイル」は楠木さんと本の関係が生い立ちから書かれていて興味深い内容でした。そして、楠木さんの本との向き合い方を通して、彼の生き方・考え方がどのように形成されているのかを垣間見ることができる。
話が鮮やかに脱線しながらも伝えたい本質は漏らさない。さすがです。
「仕事以外で読むのが『読書』」
「一人で食事とかするときがあると、本を読みながら食べる」
「読書に疲れると読書をする。で、さらに疲れるとまた読書。で、疲れが取れるとまた読書」
というくだりは、楠木建さんがいかに読書を愛されているかが伝わってきます。私は自分自身を読書好きと考えていましたが、楠木さんと比べればまだまだだ、と思い知らされました。というか、比べることもおこがましい、というのが本当のところです。
あと、個人的には、楠木建さんが評伝や自伝を好んで読まれていることを知り嬉しくなりました。自分との共通点を感じただけですが…。
また、昨日お話した「芸論」が「必然的に評伝や自伝になる」ともおっしゃっています。この結びつきは考えたことがありませんでした。新たな視点を得ることができました。
この最終章だけでも本書を買う価値があると思います。
『ストーリーとしての競争戦略』と『戦略読書日記』の2冊は必読ですね。
合わせて1000ページになりますが、一気に読み進めることができますよ。
とはいっても時間には限りがあるので、長い休みが取れる今が絶好のタイミングなのです。
もう少し早くご紹介すればよかったですね。まだ土日の2日間がありますので、有意義な時間を過ごしたいかたは是非手にしてみていただきたい。
と、ここまで書いておきながら、実はこの2冊より好きな著書があるのです…。
8月10日の記事で、「その数多くの書籍の中でも、特に私の心に響いた名著」と書いたのは、『ストーリーとしての競争戦略』でも『戦略読書日記』でもありません。
実はもう一冊超おすすめの本があります。
明日に続けます。