「制限時間を設ける」を活用する ノルアドレナリンとは?
こんばんは。
昨日まで旅の話を続けてきましたが一旦お休みします。今日からは異なるテーマで。
「締め切り効果」という言葉はご存知でしょうか?
簡単に言うと、仕事や勉強において、制限時間を設けることにより効率性が高まる、ということですね。
この効果を体験されている方は多いと思います。
よく「夏休みの宿題を最後の日1日で終わらせることができる」というようなことが言われます。
これは、自ら制限時間を設けたのではなく、決まっていたデッドライン直前まで放棄していたという話ではあります。ただ、積極的であれ消極的であれ、締め切りを活用している(結果的に活用されている)点は同じです。
前者の「能動的な制限時間設定」について考えていきたいと思います。
その前に、なぜ「締め切り効果」が働くのか、簡単に見ておきます。
「背水の陣」「火事場の馬鹿力」という言葉が示すように、人は追い詰められた状況になると、その実力や能力以上の力を発揮します。
これは人間の神秘というわけではなく、脳科学でも説明できる事象。
人は追い込まれるとノルアドレナリンが分泌されます。戦うためのホルモンと・神経伝達物質もいえるノルアドレナリンが集中力を高め、積極的な行動を起こしやすくするのです。「闘争か逃走(fight or flight)」という言葉は聞いたことがありますよね。ノルアドレナリンはこの事象をつかさどる物質と言われています。
「野生の動物に遭遇した」といった危険な状態で、即座に判断できる仕組みが私たち人間には備わっている。
「夏休みの宿題が終わっていない」は現代における危険的な状況。そこで、ふだん以上の能力が発揮されるというわけです。
私たちのふだんの生活でノルアドレナリンがもたらしてくれるメリットは、緊張感がもたらす集中力の向上に加え、脳の活性化、記憶力の向上、情報処理速度のアップが挙げられます。
いいこと尽くしです。
ですが、そんなに世の中あまくありません(笑) 何事にも裏の面、つまりデメリットはあります。
ノルアドレナリンがもっとも働くのは緊張状態に置かれている時。その緊張が強すぎたり、頻度が多すぎると、ストレス過多の状態になり、精神面にダメージを与えます。
そして、ストレス状態が続くと健康にも悪影響が。血圧が高くなったり、不眠の原因となったります。また、過度のノルアドレナリンの分泌は脳の働きを悪くするとも言われています。「パニック障害」はノルアドレナリンの過剰分泌によるとも言われています。
逆にノルアドレナリンが不足すると、集中力ややる気が低下してしまいます。「うつ病」の原因とも言われています。
何事も「適度」が重要。特にアドレナリンはこの「適度の大切さ」を軽視してはいけません。
適度な量のノルアドレナリンが「締め切り効果」を生み出す。このことを覚えておいていただきたいと思います。
明日に続けます。