よく歩くこと 科学的な裏付けをご存じですか?
こんばんは。
「ふだんの状態よりも自分の心がひどく落ち込んでいる」
こういう時に取り入れたい1つ目の方法として「ふだんよりよく眠る」ことについてお話ししてきました。
これは不調に気づいたらすぐに取り入れたほうがより効果的。少しでも不調を感じたら「睡眠の時間を多くとる」ことを心掛ける。そうすることで、少しでも心を回復させる。
とはいえ、心が苦しい時には眠れないこともあります。頭の中を心配事が巡って熟睡できない。そんな時はベッドや布団の上で横になるだけでも構いません。「眠らなきゃ」と思うとかえって苦しくなりますからね。
今日お伝えする「よく歩くこと」のほうがより難易度が低いかもしれません。「眠れない」ということはあっても「歩けない」ということは少ないと思います。
2. よく歩くこと
「気分がひどく落ち込んで何もやる気が起きない」
こういう時は頭の中をぐるぐるとネガティブな考えが巡って止まりません。そして、ますます不安を感じ、動き出す気力が削がれていく。
家の中でじっとしていてもどんどん深みにハマっていくだけなのですね、こういう時は。
そんな時は、外に出ることを心掛けていただきたい。何をするということもなく、ただ「歩く」だけでよいのです。
歩き出したとしても、頭の中はネガティブな考えで占められています。このことは変わりません。
でも、歩き続けていると気分が徐々に晴れていく、少し軽くなる。そんな経験をしたことのある人は少なくないと思います。あなたはいかがですか?
これは私たちの体内・脳内のホルモン・神経伝達物質の活動と密接に関連しています。
強いストレス状態の中にいる時、私たちの体の中では「コルチゾール」というホルモンの分泌量が多くなります。
コルチゾールは私たちにとって必須のホルモンで多くの機能を有しています。例えば、炎症を抑える働きも持っており、打撲や打ち身の際に分泌される重要なホルモンです。
コルチゾールがストレスホルモンの異名も持つのは、ストレスを受けた時に脳からの刺激を受けて分泌が増えるから。通常は分泌量やその濃度一定に保つように制御されているのですが、過剰なストレスを受け続けると、その制御が効かなくなり脳にダメージを与える。これが精神に悪い影響を与えるのですが、「歩く」ことでコルチゾールの過剰分泌も抑えられることができると言われています。
さらには、歩くことで快感中枢が刺激され、セロトニンやエンドルフィンが脳内に分泌されます。セロトニンは別名「しあわせホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質で、緊張やストレスを緩和する機能をもっています。エンドルフィンも多幸感を与えると言われている神経伝達物質です。「脳内麻薬」とも呼ばれておりストレス対処の鍵となる物質です。
明日に続けます。