「実際に身銭を切る人」を信用したい
こんばんは。
私が競馬を始めたころはスポーツ新聞を片手にJRAの重賞レースを予想していました。大井競馬場でおやじと出会う前の話です。
その時に気になったのが、どのスポーツ新聞も前週や過去のレースの的中を声高に書いていること。
それらを見ていて、こう思ってしまったことがありました。
「あんなに記をつけていいんだったら、そりゃあたるだろう」と。
競馬をご存じでない方に予想の印(しるし)について簡単に説明しましょう。
◎:本命 1着になると予想される馬
〇:対抗 本命馬の次に位置する馬
▲:単穴 本命馬、対抗馬ほど確実性はないが、展開次第で逆転もありうる馬
△:連穴 1着は難しいが、展開次第では2着はありうる馬
×:穴 いわゆる伏兵馬。きわめて可能性は低いが場合によっては1・2着になりうる馬
という感じになります。最近は(というかだいぶ前から)3着も馬券に絡んでくるようになったので、3着までに入る可能性がある馬をリストアップしていると考えてもらってもいいでしょう。
◎を軸馬として、これと〇、▲、△、×の馬と組み合わせて馬券を購入する、というのが一般的なやり方です。
このうち△が曲者です。他の印は基本的に1つしかつけられませんが、この△は何個でも付けられます。
ある競馬新聞のある記者には、ほとんどの馬に△がついていたりしました…。
それで冒頭の「あんなに記をつけていいんだったら、そりゃあたるだろう」と思ってしまったのですね。
予想は何種類もできてもすべての予想馬券を買えるわけではありません。元資が限られている身にとっては。
他にも
「予想があたったら声高に自慢できる」けど「外れても責任は問われない」
というふうにも感じました。
これはいい商売だな~と思ったのですね。
なんでこの職業をもっと早く知らなかったのだろう、と後悔しましたw もっと早く知っていればスポーツ新聞社に就職したのに~、とも。
(すみません、これはあくまでも当時の勝手な思い込みで、新聞社や記者の方の実態とは異なると思います。実際には予想が当たらないと厳しい状況が待ち受けているのだと思います。)
その点、大井競馬場のおやじのように、予想で飯を食っている予想士の方は状況が異なります。自分の予想の良し悪しが懐具合に直結してくるのですから。そして、そういう人たちの意見こそ参考にすべき。後にそう思ったのです。
これは経済アナリストの世界にも言えるのではないか、とも思ったりしました。中には予想が当たらなくても何の責任も苦労も伴わないようなポスト・ポジションがあるのではないか、と。実際のところは良く分かりませんが。
私が好きなのは評論家からではなく実践者。理論家からではなく実際に身銭を切る人。
こういう考え方を持ってしまったのは、競馬の影響を受けているのかもしれません。