高揚した気持ちだけでは現実は変わらない
こんばんは。
『アメリカよ! あめりかよ!』 集英社 (1987/11/1)
落合信彦氏の半生が描かれた自伝的作品。
この本を読んで心が熱くなった。
この本を勧めてくれた先輩の言葉。
「彼の生き方を知ると、毎日ダラダラと生きていられなくなるぞ。俺は彼の書籍を読んで心が熱くなった。生き方が変わったと言っていいくらい」
これは間違いではありませんでした。
この本に一貫して描かれているのが、落合信彦という人物の「精神力の強さ」と「行動力」。
この2つのためにこの本が書かれたのではないか、と感じさせる。私はそう捉えました。
そして落合信彦氏が本当にカッコいい。「自分もこんな風に生きたい!」と思わされた。読んでいる最中、そして読了した後も、この気持ちの高揚は続きました。
あなたにも、こういう経験はあると思います。
映画やドラマを見て、主人公と自分を重ね合わせる。主人公の生き方に憧れて、自分もこんな人生を歩みたいと思う。困難が待ち受けているかもしれないけれど、そのために努力をしていこうと思う、といったことが。
例えはあまりよくないかもしれませんが、昔で言えば、任侠映画を見たときの感覚もそうでしょう。映画の世界に没頭した人が、肩で風を切って歩く、という例え話があったことを思い出します。
このような経験をしている人は多いはず。
でも、その後の人生が何ら変わらなかったという人も多いはず。
そう思いませんか?
本や映画、ドラマの世界に魅せられて、自分の人生を変えたい、変えようと思う。
だけど、その翌日にはこれまでの日常の世界を忙しく生きているだけ。三日後には、その情熱も忘れてこれまでの同じ日常を生きる。
そして、しばらくすると、また別の作品を見て心を鼓舞される。でも翌日には…。という繰り返し。
これは自己啓発セミナーの害悪として言われることと似ているかもしれませんね。セミナーで過ごした時間は気分が高揚し自分を変えられると思う。でもその翌日以降は日常の中に埋もれてしまい、結局何も変わらない。そしてしばらくして、別のセミナーに向かってしまう、といった負のサイクルに。
気持ちの高揚は続きません。さらには、気持ちだけでは現実は何も変わりません。
必要なのは「行動」。ある体験から感じたこと、学んだことを実践に移さなければ、あなたを取り巻く環境は何も変わらないのです。
行動をしないのは理由があるのでしょう。やらない理由は山ほどありますよね。
なりたい対象が自分の現状とかけ離れていると諦めてしまう。これはそのうちの一つだと思います。
映画やドラマの主人公が、現在の自分にとっては遠すぎる存在。なりたくても現実にはなれない存在。憧れはしても、自分がそうなれるとは信じられない対象。そうなると「私とは無縁の世界」「現実的には無理」と感じて、何ら行動しないということになってしまいがちなのですね、私たちは。
『アメリカよ あめりかよ!』を読んだ私も、この罠にはまりそうになっていました。
明日に続けます。