こういう体験ができるのは、旅の場だからこそ
こんばんは。本日もお立ち寄りいただきありがとうございます。
ワンデイツアーのランチで、ロシア人のご家族とテーブルを共にすることになった私。
この日2本目(と思われる)ウオッカの小瓶を空けたお父さんと、紙コップに注がれたその液体を飲み始めたお母さん。
ここで、初めてこのお二人が私を気にし始めたのはこの直後。私のほうをちらちらと見ながら、お二人が会話を始めました。
すると、おもむろにお父さんが私に話しかけてきました。
「@@、@@」
お父さんが何と言っているのかは全く分かりませんでしたが、意図することは理解できました。なぜなら、ウオッカの小瓶を私のほうに向けながら、問いかけるような視線を向けていたから。
そうです、お父さんは私にウオッカを勧めてくれたんですね。
「Thank you. Yes!」
と私が笑顔で答えると、お母さんが私の前に紙コップを差し出します。
お父さんは、その紙コップにウオッカを注ぎながら、私に問いかけます。
「@@@、@@@?」
言葉は分からなくても、何と言っているのかは理解できる。「どのくらい飲むのか? もう少し注ぐか?」ということだろう。
「OK、OK」
と答えながら、手のひらをコップの方に差し出して、「これくらいでいいです」というサインを示す。お父さんはそれを理解して、ウオッカの瓶を紙コップから離しました。
「Thank you!」
と言いながら紙コップを手にした私は、その透明な液体を口に注ぎました。
「Good!」
という私に、笑顔でうなずくお父さん。お母さんも微笑みを向けてくれます。
その後は、長男くんが通訳となり、ご家族との会話が弾みました。とはいっても、長男くんもそれほど英語を使えるわけではなく、会話というよりは、単語を交わし合う感じ。どれだけ私の言ったことが伝わったかは分かりませんが、それでもいいんです。
偶然に出会った者同士で、その場を楽しく過ごす。感情を共有しあって、親近感を得る。ほんのわずかな時間でもあっても、心が温まる。食事(そしてお酒もですね)の場というのはそんな体験ができる絶好の機会なのです。
お二人は英語が分からない。私はロシア語をまったく知らない。おたがいに言葉が分からなくても、通じ合うことができる。こういう体験ができるのは、旅の場だからこそ。
一期一会の大切さ、素晴らしを実感できる。旅は私たちにその機会を与えてくれる。
だから旅は止められない。この文章を書いていて「早く旅がしたい!」という思いがますます募ってきました。
この2年間はつらかったですね、旅好きの私たちにとっては。でも、今年は旅ができそうです。希望がわいてきますね。