「苦節○○年」と言葉がまさに当てはまる
こんばんは。
私に希望を与えてくれた一冊の作品、『しょせん幸せなんて自己申告』。
綾小路きみまろさんがブレイクしたのは2002年。その時はすでに52歳だったんです。
「苦節○○年」と言葉がまさに当てはまる人生。
この「30年」というのは本当に長いと思うんです。そして重い。
他の分野での「30年」と比べるとどうでしょうか?
プロスポーツの世界ではありえないですよね。50歳を超えて初めて第一線に上り詰めるというのは。そもそも、身体能力が鍵となるスポーツ界と比較するのは的を射ていませんねw
ビジネスの世界ではどうでしょう。50歳前半というと、会社で重要なポジションに就かれている方も多いでしょう。まさに脂ののった時期かもしれませんね、サラリーマンの方にとっては。でも、企業で出世する方というのは、それまで着実に階段を上ってきた方々。きみまろさんのように52歳になって初めてメジャーデビューするのとはわけが違いますね。
こう考えると、ある意味、芸の世界だからこそあり得るストーリーなのかもしれません。
でも、30年ですよ。陽の目を見ない期間が30年。10年でも、いや5年でもすごいことだと思うのです、こうやって下積みの時代を生きていくのは。しかも、人気者になれるか、メジャーデビューできるかが約束されてているわけではない。長く続けたからといって報われる保証はどこにもない。
こんな状況で30年も続けられますか?
芸の世界は華がありますよね。
多くの人の憧れの存在である芸人さんは、多くの人に喜びを与えている。笑いを与えている。安らぎを与えている。希望を与えている。
でも、そうやってスポットライトを浴びている芸人さんはごく僅かなのでしょう。その裏には、陽の目を見ないまま何年も人知れず芸人を続けた後に、芸の世界から離れて別の道を歩み始めた大勢の元芸人さんがいる。夢破れて芸の世界から身を引いた元芸人さんの方が大勢を占めるのではないでしょうか。成功する保証がない環境で生き続けるには相当の精神力が必要となる。そんな環境に耐えるのは相当厳しいと思います。私には到底無理です。
でも、その厳しさを乗り越える人がいる。そういう人の存在に元気とき勇気、希望をもらえるんです。
綾小路きみまろさんはその一人。
・芸人の道を歩み始めたのは22歳。ようやくメジャーデビューをしたのが52歳。
この文章を読んだだけでも、綾小路きみまろさんに尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
そして、一気にこの著作に入り込んでいったのです。