3000本のテープだけではない
こんばんは。
綾小路きみまろさんの『しょせん人生なんて自己申告』。
「努力について」の章から、心に響く文章をお伝えしています。
今日はこちらの文章を。
・テープを配り続け、しだいに「面白いテープがある」と口コミで評判が広がり、うわさを聞き付けたレコード会社のテイチクさんが私のもとにやってきたのが50歳の時。翌年に発売されたCDが大ヒット。そのとき私がタダで配ったテープは3000本を超えていた。
まさに「努力」が導いた人生。
自分の漫談をテープに吹き込む。それをダビングして3000本。それを配り続ける。この行動力がメジャーデビューにつながっていた。
努力×行動力
この2つの掛け合わせが結果をもたらした、ということが分かります。
努力が大切なのは間違いない。でも、その方向性が間違っていたら結果につながらない。
例えば、毎晩毎晩自宅で漫談の訓練をする。これは努力です。でも一人で黙々と続けているだけでは、未来は拓けなかったでしょう。他人との関わりがないと、状況は変わっていかない。
「誰かが見てくれている」といっても、「見てもらう」機会を持たないとそれは実現しないんですね。
「外に出ていく」「他人と関わる」という行動力。これがないと努力が無駄になってしまう。
口コミで評判が広がる。
こうやって言葉にすると軽く感じてしまうのですが、これを実現するための努力は計り知れません。そして、その継続力に驚かされます。
テープを配る際には、漫談を流されていたと思います。でも、漫談を聞いてくれる人と共にする時間はほんのわずか。そして、その場限りの出会い、ということも多かったでしょう。
この出会いが何をもたらすかということは全く分からない。そんな「手応えを感じられない」という状況においても歩みを止めない。継続する。
恐れ入ります、の一言しかありません。。。
「続ける」ことの力を感じませんか。
口コミで評判が広がる。この状況を作り出したのは「継続力」があったから。諦めない心があったから。
信じて前に進み続ければいつか必ず報われる。
このストーリーは元気を与えてくれます。生きる力を与えてくれます。
3000本のテープがCDデビューにつながった。
ここで見逃してならないのは、この結果をもたらしたのは3000本のテープだけではない、ということ。吹き込んだ漫談が面白くなければ、いくら数をばらまこうとも成果には結びつかない。人を魅了する漫談を作り上げるまでの、それまでの長い努力の時間が必須だったんですね。
「努力」が実を結んだストーリー。
そういうストーリーに私たちは心を動かされるのです。