気の利いたジョークは「当意即妙」
こんばんは。
Patricia Ryan Madsonさんの『improv wisdom Don’t Prepare, Just Show Up』
二つ目の格言である「don’t prepare」についてご紹介しています。
今日はこちらの文章から。
To improvise, it is essential that we use the present moment efficiently. An instant of distraction – searching for a witty line, for example - robs us of our investment in what is actually happening. We need to know everything about this moment.
個人的にこの文章は刺さりました。例えとして示されている「searching for a witty line」という部分に。
私は一時期、ジョークをマスターしたいと思ったことがあります。マスターというのは大袈裟ですが、会話の中で気の利いたジョークを繰り出せる、そんな人になりたいと思ったのです。ヨーロッパをある程度の長期間旅をしていたときに、あるフランス人の巧みな話術に憧れたのがきっかけでした。
この目的を実現するために私がしたことは? まず、気の利いたジョーク、使えるジョークをストックすることから始めました。ネタがないことには始まらないと考えたんですね。愚かですw
そして、会話の中で使えそうなタイミングを必死に探す。でも、少ないストックの中からその場にマッチしたジョークを繰り出すのは、なかなかの難易度。時には、無理やりこじつけたりしましたが、結果は散々。全く気が利いていない。聞いている仲間からも嘲笑含みの笑顔を返されるだけでしたw
気の利いたジョーク、つまりはwitty lineというのは自然に出てくるものなんです。それを探したり、私のようにストックを使う場面を必死に探したりするのは却って結果を生み出すことができない。それは、今目の前で起きていることに集中していないから。
今ここで起きていることに完全に集中しているからこそ、本当に気の利いた、その場に即したジョークが飛び出てくるんです。
私も実際にこれを体験したことがあります。
ジョークマスターに憧れて日々実践を志すもなかなかうまくいかない日々。ジョークのことを忘れて、ただひたすらにその時の会話に集中し、会話を楽しんでいたときに、思いがけずジョークが口から飛び出した。それがwitty lineであったことに気づいたのは、会話の相手の「面白い!」「お見事!」といった感情を含む表情だけではありませでした。その場は、ある会社の受付だったのですが、会話に参加していない受付の女性が「クスッ」と笑い声をあげたのです。
私にとって、これは本当に嬉しい出来事でしたw そして悟ったのです。「気の利いたジョークは狙って繰り出せるものではない。自然と出てくるものなのだ」と。
もともと私が求めていた「気の利いたジョーク」は「当意即妙」に基づくものでした。その場面場面で、その瞬間に気の利いたことを言える能力が欲しい、と思っていたのです。この出来事は、そのことを思い出させてくれました。
すみません、個人的な話に大きくそれてしまいましたw
明日はPatriciaさんの文章に戻りますね。