「誰にでも勧めているわけではないんだよ」
こんばんは。
憧れの先輩が進めてくれた著者はJeffery Archer。Archerのことを知ったのはその時が初めてでした。
ネットで調べてみると、人間的に面白そう。こうなると、著作も面白いに違いない。
そう期待して読み始めたのが『Kane and Abel』。
意気揚々と読み始めたものの、その初日で早くも挫折しそうになりました…。
何より、使われている英単語が分からないものばかり。その度に辞書を引いて意味を調べる。そして再び読み始めると、すぐに別の道の単語に遭遇する。一向に前に進むことができない。時間だけが経過していく。
「本当に自分の英語能力向上に役立つのだろうか?
という疑問が頭をかすめます。
初日に1時間ほど格闘してやっと3ページほど進んだでしょうか。その次の日は時間が30分になり、その次の日は時間が取れず。といった感じで最初の1週間で要した時間は約2時間。読んだページ数はたったの6~7ページほどという始末。
その翌週に、私はその先輩と話す機会を得ます。
「以前ご紹介いただいたJeffrey Archerの作品を読み始めました。『Kane and Abel』を読んでいます。」
「おお、『Kane and Abel』にしたのか。面白いよな~。Archerの中でも好きな本だよ。読み始めたら止まらなくなるよな~」
「実はまだほんの数ページしか読めていません。知らない単語ばかりで、なかなか前に進まないんですよ。」
「そうか。英書を読み慣れていないと、最初はなかなか厳しいかもしれないな。もしかして、知らない単語は全部調べてる?」
「はい。その都度調べています。それに時間がかかってしまいまして。」
「一語一語調べていたら、進まないよ。調べるのを止めて読み進めてみたほうがいいよ。正確ではないとしても、何となくはわかるよね。それでいいんだよ。いちいち単語は調べない。」
「でも、それだと物語をしっかりと理解できないよう気がします。特に出だしはしっかりと理解しないといけないですよね。」
「そうか。真面目だなw まあ、一回試してみなよ。単語の意味を調べずに読み進めることを。小説は楽しんでこそ読む価値がある。Archerを勧めたのはその面白さにあるんだから。そして、君にはArcherの作品を読めるだけの基礎力はあると思っている。だからこそ勧めたんだよ。誰にでも勧めているわけではないんだよ」
彼が真摯に話をしてくれたことに嬉しさを感じた私は、彼のアドバイスに従うことにします。
そして、その週末に、最初から読み始めることしたのです。