孤独であることを恐れない
こんばんは。
綾小路きみまろさんの『しょせん幸せなんて、自己申告』から、心に響く言葉をお伝えしています。
今日は「癒しについて」から、こちらの文章を紹介します。
・孤独とは、ごまかしのきかないことです。だから価値があって、美しい。
そして
・人は全員が一人しかいない世界遺産。誰にも代わりのできない人生だからこそ、美しさが際立つ。
「世界遺産」が出てくるのは、きみまろさんが「富士山」の美しさに心惹かれているから。
日本の象徴ともいえる富士山。世界遺産に登録されたのは2013年ですから、もう10年近くも経つのですね。
心が傷つき、不安に襲われたとき、きみまろさんは富士山をじっと眺めるといいます。
一人で何時間もただ眺める。そうすると、心を曇らせていたモヤモヤが次第に晴れていく。
きみまろさんはそうおっしゃいます。
「ああ、おまえは今日も一人で立派に頑張っているね」
どこからか、そんな言葉が、心の中に込み上げてくるのです。
富士山の虜になってしまったきみまろさんは、富士山をいつでも近くで見られるように、河口湖畔に自宅まで経ててしまいます。40歳の時の決断で、まだそれほど裕福ではなかった。でもこの決断に大満足されている。
富士山の美しさは、その孤独にある。独立峰である富士山に潔さを感じる。
きみまろさんは、富士山に自分の姿を重ね見ている部分があるのかも、と分析されています。
富士山は孤独。他に山もないところに一人で立っている。だから、ごまかしがきかないし、嘘もつけない。
きみまろさんも舞台に出たら一人。舞台では誰かに頼ることはできません。
これは舞台だけに限らず、人生にもあてはまる。きみまろさんだけではなく、私たちすべてにあてはまる。
自分が歩いてきた道の行き先を決められるのは、自分しかいないのです。
・誰もが独自の人生を、独自の孤独を抱えながら生きている。
富士山の近くに住むようになって畑を耕すようになったきみまろさん。野菜の種類によって、それぞれ成長の仕方がまるで違うことに気づきます。人間の子供を育てているような気分になる、とも。
そこから、私たちの生き方も同じだとの気づき。自分がどんな種を持って生まれてくるかは選べない。容姿や体つきといった外見も、知能や才能といった内面も、そして親も選べない。何も選べない状態で人生をスタートする。
全員違うのだから、あなたの代わりはいない。あなたがどう生きるかを決めなければいけない。
富士山の美しさは孤高にある。
こう考えると、孤独であることを恐れることはない。むしろ孤独を歓迎したくもなる。
富士山のように潔く生きていこう。そう思わせてくれる文章でした。