「行動と見識」KOUSHIのブログ

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世界のビールを楽しむ ランキング番外編 タイのビール

昨日の記事では、「シンハービール」に関しお伝えしました。

 

もともと世界のビール業界5位のモルソン・クアーズの紹介をしていましたが、いつの間にかタイの有名ビールの話になっておりました…。

 

ランキングの番外編として、もう少しタイのビールに関しお話させていただきたいと思います。

 

タイを旅したことがある人はご存じだと思いますが、タイには「シンハービール」以外にもポピュラーなビールが多くあります。

以前ご紹介した「ハイネケン」もその一つ。さすが世界のトップブランドです。

ですが、タイ国内のシェアということであれば、シンハーハイネケンは僅かを占めるのみなのです。

 

「ビア・チャーン」というビールはご存じないでしょうか。白象のロゴマークがトレードマークです。

この「ビア・チャーン」が発売されたのは1995年。かつて半世紀以上にわたり市場を独占していた「シンハービール」の牙城を崩した、という歴史があります。

日本では「シンハービール」がタイビールの代名詞ですが、いまやタイ国内でのシェアは10%もありません。この「チャーン」の登場がタイでのビール業界の勢力図を変えました。

 

ここで、かつてのトップブランドである「シンハービール」を擁しているブンロード・ブリュワリー社の歴史を見てみたいと思います。

 

ブンロード・ブリュワリー社は1933年に設立されました。以前ご紹介したように、その翌年の1934年に「シンハービール」の生産が開始され、市場に投入されます。

 

タイは、他の東南アジアの国々と同様に中国の影響を強く受けており、財界では華僑系の財閥が多いのですが、このブンロード・ブリュワリー社は、タイでは珍しい非華僑の財閥です。バンコク出身のブンロートさんによて設立され、80年以上続くグループ会社です。

 

20世紀の前半は、英仏の植民地支配を受けていた他のインドシナ半島の国々から、タイにも欧州産ビールがわずかながら流通していました。ですが、価格は高く、庶民にはまさに高嶺の花という位置づけでした。

「タイ人でも手軽に飲めるビールを造る」というのが、ブンロード・ブリュワリー社の思いだったのです。

 

シンハービール」は、外国産のビールに比べ非常に安価であったことが奏功し、爆発的に売上を伸ばしていきます。半世紀ほどの長い間、シェアは常に90%近くを維持してきました。

 

この歴史が、今もなお「シンハービール」の知名度が世界的に高い理由の一つなのでしょう。