「身体で感じるの繰り返しが「身体が覚えている」を導く
こんばんは。
「英語の音声を一日中聞き続ける」ことで「英語のリズムを体得する。
毎日何時間も英語を「聞き流す」だけで、英語能力が劇的に向上するわけではありません。
「英語を聞き流すだけで、自然と英語が分かるようになった!」ということを前面に押し出した教材には疑問を感じます。実際に試したことはないので、その効果も分かりませんが、疑ってかかるべきでしょう。
「英語を聞き流す」ことが効いてくるのは、英語のリズムを「身体で感じる」ことができること。
頭では理解できていないかもしれない。でも「身体が英語の世界に馴染んでいく」ことができる。この意味で「聞き流し」の時間は決して無駄ではありません。
この「身体で感じる」というのは、英語学習に限らず、あらゆる対象に有効。かつ、高いレベルを望むのであれば、これは必要条件ともいえる。
「身体が覚えている」という言葉は聞いたことがあると思います。
特にスポーツの場では、良く聞く表現ですね。「感覚で覚えている」「身体にしみこんでいる」といった表現は、同じことを差していると言えるでしょう。
これらの言葉が意味するところは「意識しなくても自然にそうなっている」「よくわからないけれど、なぜかできている」といった状態。
頭からの指示を待たずに、身体が勝手に、自然と行動できる状態とも言えます。
スポーツではこれが分かりやすい。一流のプロスポーツ選手は、身体にしみこませる訓練を数え切れないほど繰り返している。だからこそ、身体が自然に動く。頭からの指示に身体が従っているのではなく、身体が瞬時に対応できる状態を作り上げているとも言えますね。
これは、プロのレベルだけにとどまりません。アマチュアレベルで、いや趣味としてスポーツに打ち込んでいる方は、この感覚が分かるのではないでしょうか。野球でも、サッカーでも、ゴルフでも、スキーでも同じです。頭ではなく身体が勝手に、瞬時に反応し対応する。こういう経験は数限りなくあると思います。
英語とスポーツとを一緒にできないかもしれません。確かに、英語は身体を主に使うスポーツとは異なり、主に頭を使う行動ですからね。
でも、英語にも「身体で感じる」「身体が動く」という要素は少なくありません。英語のリズムを体得していることで、頭での理解がより容易になる。身体を使って話すことで、思いをより伝えることができる。他者とのコミュニケーションにおいて「英語のリズムを身体が覚えている」ことがプラスに作用する場面は数多くあります。
「リズム」は頭だけを使っていては身につきません。活用できません。リズムは身体を通して身につき、身体を通して利用できる。
リズムを身につけるのに「英語の音声を一日中聞き続ける」は有効な方法なのです。
明日に続けます。