「スキル」より「センス」
こんばんは。今日もこのブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。
昨日は「スキル志向」のデメリットについてお話しました。
TOEICを例に出しながら。今日も続けます。
あなたはTOEICの勉強に励み、900点をゲットしました。
一般的に考えれば、かなりの高スコアですよね。
ただ、世の中にはTOEIC900点以上取得という人は数え切れないほどいます。TOEICの点数が500点から900点になるのは素晴らしいことですので、そのための努力と成果を否定はしません。ただ、点数という尺度だけでは、あなたはその他大勢の中の一人にすぎません。
TOEIC900点は決して「ゼロ」ではありません。ゼロ以上の範囲において上位数パーセントに位置するでしょう。ただ、それだけではその他大勢の中の1人であることには変わらない。
このように、スキルとは「できない」より「できる」ほうがいいに決まっているけれど、その他大勢の人が「できる」ものなので、その人固有のものにはならない。
楠木建さんの「スキルというのはマイナスをゼロにすること」とは、こういうことも含んでいるのでは? と思い至ったのです。
次のメモに移ります。
「その先のゼロからプラスを創るのは何か。『この人に頼もうかな』とか『こいつはいいな』と思わせるのは、その人に固有のセンスとしか言いようがないもの。『フォーム』といってもよい。」
このメモの表題は「フォーム」でした。ようやくこのワードにたどり着きました…。
といいつつ、その前のもう一つのキーワードを忘れてはいけません。
そう、それは「センス」です。楠木建さんファンであれば、お馴染みのワードですよね。
ビジネスの世界における「センス」の言及は、氏の著書である『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』(2012年 Hitotsubashi Business Review Books)が初めてでした、私にとっては。
楠木建さんの代表作。まさかまだ読んでいないという方はいませんよね(笑)。
「センス」については楠木建さんのその他の書籍や多くの記事でも書かれていますので、ぜひ読みこんでみていただきたいと思います。
私の説明よりはよっぽど分かりやすいと思いますので(それはそうですよね…)。
「スキル」と「センス」を分けて考えること、これを混同するからいろいろな問題が起きる、と氏はおっしゃっています。
これまで述べてきたように「スキル」というのは分かりやすい。客観的に見ることができるし、習得方法もよりあふれている。
これに対して「センス」というのは分かりにくい。客観的な尺度もないし自分にも他人にも自明にわかるものではない。
これが、人が「スキル」に逃げやすい最大の理由なのでしょう。
「センス」についての話を明日に続けます。