本能をマネタイズする最強の商売
こんばんは。
銀座のクラブは、男の威張りを収益に転化する商売。
男の威張りをマネタイズするために練り上げられた仕組み。それが発達したのが、高級クラブという存在である。昨日はそんな話をしました。(といっても、私が、ではなく、楠木建さんが、ですが…)
「なるほど!」と思わず膝を打ちたくなる洞察ですよね。
まだまだ続きます。
そればかりではありません。スキなだけ威張れるように暗黙のうちに誘導してくれる。僕はそれをバレーボールのメタファーで、「トス上げ」と呼んでいます。
「はいっ」(←トス)「オレは偉いんだ」(←アタック)
「はいっ」(←トス)「オレはでかいんだ」(←アタック)
秀逸な比喩ですよね~。この光景が目に浮かびます。
ホステスさんが絶妙なタイミングでトスを上げてくれるおかげで、スパーンと気持ちよくスパイクを決められるというわけです。
スパイクが決まった時の気持ちよさ。バレーボールを学校の体育の授業でしかやったことがない私でも分かりますw 気持ちいいですよね~。そんな「気持ちいいスパイク」が決められるのは、絶妙なトスのおかげ。
やはりどの世界でもプロは凄い。腕っこきのお姉さんであれば、トス上げも一通りではありません。Aクイック、Bクイック、オープン攻撃から一人時間差まで、さまざまなバリエーションのトスを絶妙な一に繰り出してくださいます。
「銀座ナンバーワンホステス」と呼ばれるようなかたは、このトスの上げ方がうまいのでしょう。男を気持ちよく「威張らせ」てあげるために、シチュエーションに応じて即座にトスの種類を選び分ける。どんな場面であっても「威張る」ことを可能にできるトスを上げることができる。それがプロなのでしょうね~。賢くないとプロにはなれませんね。
男の「威張り」という本能を巧みに操ることができる。これがホステス業の肝かもしれません。こう考えると、ホステスさんというのはなかなか難しい職業かもしれません。努力と経験によって鍛えることができるのでしょうけれど、向き不向きもあるでしょう。ずっと「威張り」を浴びていたら疲れてしまいそうです。精神的なタフさが必要になる気がします…。
「座っただけで五万円」も理由があります。顧客である富裕なオヤジにとっては本能直撃の「プライスレス」ですから、その程度の費用は安いものです。
お金持ちのおじさんにとっては、まさに「プライスレス」を体験できる空間が「高級クラブ」なのでしょう。お金はあり余っている。それを本能を満たすために使うことに一切の躊躇はない。
こうして、銀座のクラブはどんどん発達していった。
持ちつ持たれつ、の関係。オヤジは「威張り」を堪能できる。クラブは「おカネ」を得ることができる。双方とも大満足。素晴らしいビジネスモデルだな~と感心してしまいました。