心に残るエピソード ぶれない信念にしびれる
こんばんは。
本日もこのブログにお越しいただきありがとうございます。
今日も鍵山秀三郎さんのお話を続けます。
社員を第一に考える鍵山さんのもう一つの逸話を紹介しましょう。
ローヤルが家庭電化製品販売の得意先でテナント販売をしていた時の話です。
小雪交じりの強い風の吹く寒い日に、鍵山さんは、自社の社員が戸外で寒々しく販売している姿を目にします。
居てもたっても居られなくなった鍵山さんは、店の責任者に「足元だけでも暖かくなるよう、小さなストーブでもかまわないので設置していただけませんか」と依頼をしました。
ところがその責任者から帰ってきたのは「外が寒いのは当たり前。必要ない」との冷たい言葉。
すると、鍵山さんは本社の社長に直談判をするのです。
「店の責任者がああいう態度でも、社長の考えは異なるだろう」
と、鍵山さんは期待していました。
その社長から返ってきたのは
「問屋ならいくらでもある」
「そんなことまでしなければ販売協力してもらえないのなら、もうけっこう」
との言葉…。
その社長の考えに憤慨した鍵山さんは、
「そうですか。その考え方は、一店長のお考えではなく、会社全体の方針何ですね」
と再確認した後、
「でしたら仕方ありません。私どものほうから取引を撤退させて抱きます」といってしまうのです。
その足で店舗に向かった鍵山さんは、テナント販売をしていた社員に全商品の撤退を指示したのです。
しびれますね。
こうした決断は、会社の利益を第一とする普通の経営者にはできるものではありません。
大事な決断をいとも平然と実行する鍵山さんの凄さを感じさせる逸話の一つです。
そこには「ぶれない信念」があります。
「会社の売り上げは二の次。社員にみじめな思いをさせてまで取引を続けたくなかった」
「会社の利害だけを優先すると、つい、媚びたり卑屈になったりしてしまう。そうなってまで取引をしても会社経営の意味がない。」
「たとえ、会社の利益を度外視することになっても守るべき大切なものは見失わない」
「お客様と自社の利益が一致する会社経営を目指す」
このエピソードの中で、鍵山さんがおっしゃっているお言葉です。
鍵山さんは、こうもおっしゃっています。
「会社である以上、売上と利益を伸ばすことは大切。しかし、それ以上に社員の人間的成長は避けて通れない大事なこと。たとえ、売上や利益が上がらなくても、社員の人間的成長に費やす努力を優先すべき」
「社員の幸福を実現することが会社経営の最大の目的である」
これら鍵山さんの信念を表すエピソードの一つとして忘れることができません。