会社と個人のキャリアは異なる性質を帯びている
こんばんは。
昨日は、「目標を掲げて達成すること」の是非に関し、自分の性格や気質といった内的要因と、自分を取り巻く外的要因の双方の面を考えてみました。
前者が楠木建さんの下記の言葉。
「目標絶対達成! なんて生き方は難しい。」
後者が下記の言葉に集約されています。
「世の中、ほとんどのことは自分の思い通りにならない。思い通りにいくことなど例外。」
「だから、自然な流れにひたすら身をまかせて生きていく。」
自身の人生を振り返ると、このお考えは腑に落ちます。
あなたはどう感じましたか?
注意していただきたいのは、これらの言葉は「個人のキャリア」との関連で語られているということですね。
個人の「人生」と「仕事」の性質を考えると、「夢を持っていきよう!」「目標絶対達成!」という生き方は不自然で現実的ではない、ということです。
ですが、会社という組織で考えた場合には、また話が異なってきます。
会社が具体的な目標を掲げずに、事業を上向きに継続することは難しいでしょう。ましてや、会社は利益を上げることを求められますので、「目標なし。目標があっても達成しなくてOK」という姿勢は世間に受け入れられません。
一方で、個人のキャリアは当事者の主観的なことがらです。
他者から「個人の目標」についてとやかく言われることはありません(通常は)。ましてや、「利益を上げる」ということが個人の望むものとも限りません。個人にとって最終的に一番大切なのは「幸せを感じる」ことですから、会社のように数値的な目標を掲げ達成することは必ずしも必要ではないのですね。
ここに個人と会社の目標を結び付けようとする「目標管理」や「業績評価」といった手法の矛盾があるのですが、これは本題ではありませんので、ここでは述べません。
個人のキャリアに話を戻します。
「目標を立てたい!」「個人にも目標は必要だ」と思うかたはいらっしゃると思います。
私も全面的に「目標が必要ない」とは思っていません。
ただ、この不確かな時代に、ぶれない目標や明確な計画と戦略を立てようとしても、そんな先のことまでは分からないのが実際のところです。
そこに固執しないほうがいい、ということです。
とはいえ、自身のキャリアは気になるものですよね。
そんな私を安心させてくれたのが、楠木建さんの次のお言葉でした。
「キャリアは『ご縁』次第。」
「出合い頭に思ってもみなかったようなチャンスにぶつかることもしばしば。」
この言葉に救われた気がしました。希望をもらった、とでもいいましょうか。
明日に続けます。