目標は必要ないのか?
こんばんは。
10月3日の記事で、目標を掲げることの是非について書きました。
楠木建さんのいうように「目標絶対達成!」という生き方は息苦しく感じます。
「夢を持って生きよう!」という言葉にも窮屈さを感じます。
人生とキャリアの性質を考えた場合に、この考え方は不自然であり、「川の流れのように」キャリアを築いていくほうが幸せである。
この楠木建さんのお考えに全面的に納得したのです。
ですが、これが「目標を持たなくてよい」ということにはならない、と考えています。
むしろ「目標を立てる」ことは幸せに生きるために必要な要素だと思っています。
ここまでお読みいただき、「こいつは何をいっているんだ?」と思われているかもしれませんね(笑)。
「自分のキャリア」において「絶対達成したい夢や目標」を掲げて、それに縛られることはやめたほうがよい、と考えています。
やってみなければ分からないことを、仕事人生が始まる前に決めることは不毛だからです。
一方、「自分の人生でやりたいこと、すべきこと、得たいこと」を現実的なかたちで「目標」として掲げることは重要だと思っています。
この「現実的」というところがポイントです。非現実的な目標、例えばアメリカの大統領になるとか、天賦の才や身体能力がないのにNBAのプロバスケットボール選手になるといった、達成が極めて困難な目標を掲げてはいけません。
そして、私は「自分のキャリアで絶対達成したい夢や目標」は「非現実的な目標」の範疇に入れて考えています。
つまり、対象となるもののレベルによって目標の有効性が変わってくる、ということです。
ある研究では、目標の有無と収入の関連性が示されています。
この研究とそれに続く記述は、『Think clearly』(2019年 サンマーク出版)から引用しています。
若い学生に「経済的な成功を重視するか」の質問をし、その数十年後にその対象者がどれくらいの収入を得ていたかを調査した。
若いころに経済的な成功を重視していた人のほうが、そうでない人に比べて収入額が多いという結果が出たといいます。
これは腑に落ちるのではないでしょうか?
経済的成功に限らず、日々何の目標も持たずに生きている人に比べて、目標を持っている人のほうが、そのことを意識し、行動する。おのずと知って結果に違いが出てくるわけです。
この意味で、自分の人生に「目標」を持つことは大切だと言えます。
この研究では、「目標」についてのもう一つの重要な発見がありました。個人的には、こちらの方が、より「目標の重要性」を物語っているように感じます。
明日に続けます。