「努力を褒める」ことの効用
こんばんは。本日もお立ち寄りくださりありがとうございます。
この週末は外出していたこともあり、ブログへの時間が制限されてしまいました。これからキャッチアップしていきたいと思います。
心理学者キャロル・S・ドゥエックさんの実験から、褒め方の違いがやる気に与える影響についてお話ししています。
実験の一つから「努力を褒められると難しいことにチャレンジする」ことが説明されましたね。
まだまだ実験は続きます。
次に、2つのグループの子どもたちに、すごく難しいパズル問題を与えます。
Aグループ(頭の良さを褒められた子ども)は諦めるのが早かったのに対し、努力を褒められたBグループの子どもたちは、簡単に諦めずに粘り強く取り組み続けたのです。
ここから「努力を褒められると粘り強くなる」という推論が導かれます。
まだまだまだ実験は続きます。
最後にもう一度、最初の問題と同じくらいのレベルのパズルを子ども達に与えます。何度も問題をやらなくてはいけない子ども達も気の毒です(笑)。
そのテスト結果は、もうお分かりですね。
努力を褒められたグループの子どもたちは成績が伸びて、頭の良さを褒められた子どもたちの成績は低下したのです。
「努力を褒められると成績が伸びる」という結果が示されたのです。
この実験は興味深いですよね。
努力や姿勢を褒めると、チャレンジ精神、粘りやすさを促す。向上心をあげることによって、その後の成績向上へとつながる。
逆に才能や頭の良さを褒めると、向上心があがらず、現状維持どころかより低いレベルへと落ちていくことになる。プライドだけが高くて、自分より下の人を見つけて優越感を味わう、というちっぽけな人間になってしまう可能性が出てくるのです。怖いですよね。安易に褒めることが、このような悪影響を与えうるとは。
アンダーマイニング効果の記事で書いたように、「やる気」という内発的動機を生じさせるためには、「自己決定感」や「有能感」を高めることがポイント。
物理的な報酬ではなく言語的報酬が大切のは、この内発的動機を高めるから。ただ、言語的報酬といっても、ただ褒めるだけでは逆効果。
「才能」や「頭の良さ」は一種の「外部からの統制」とも言えます。これらを褒めることは、つまり「自分ではどうしようもない、生まれながらの才能」の制約を受けている、という感情を生み出すのです。
言語的な報酬は「能力」ではなく「努力」「行動」を褒める。
ここでも「人間関係」が重要なことは忘れてはいけません。
信頼している人からの言語的な報酬も効きません。やはり信頼関係は重要なのです。