心理的な効果をうまく味方につける
こんばんは。本日もお越しいただきありがとうございます。
なぜ「切りのいいところで終える」より「途中までやって終える」ほうが良いのか?
昨日は「未完成で中断した作業をやりたくなってしまう」効果についてお伝えしました。
今日はもう一つの理由について。
それは
「未完で中断したことは完了したものよりもよく覚えている」という効果を利用できる
というものです。
この効果は「ツァイガルニク効果」と呼ばれています。
達成できた事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄のほうをよく覚えている現象。
心理学で唱えられている、有名な効果ですね。ご存知の方も多いと思います。
ツァイガルニクさんが実証したこの効果。彼女の研究の端緒となったと言われている、カフェのウエイターの話は聞いたことがありますか?
あるカフェでウエイターを観察していたツァイガルニクさんは気づきました。
そのウエイターは、ある団体客が次から次へと注文する料理の名前をメモしなかった。その後に追加注文があってもメモを取らない。それなのに、すべての注文を覚えており一つも間違えることになく正確に給仕した。
会計を終えた後、彼女はウエイターさんに尋ねます。「勘定書に含まれるメニューは何だったのか」と。でも、そのウエイターは注文の内容を何一つ思い出せなかった。
と、こんな感じの話です。
昨日「オヴシアンキーナー効果」が広告業界やマスメディアで活用されているという話をしましたが、この「ツァイガルニク効果」も活用されています。
例えば、テレビ番組は区切りの悪いところでCMが入りますよね。クイズ番組は分かりやすい。クイズの答えを示す前に必ずCMが挟まれます。これは「続きを見たい!」という心理的効果に付け入っているのですね。中断されたことで、その番組が余計に気になってしまう。余計に見入ってしまう。続けて見てしまう。
区切りの良いところでCMに入ったら、そこで見るのを止めてしまう可能性が高くなる。
昨日も言ったように、他人に利用されるのではなく、自分で活用していきましょう。
「途中までやって終える」ことによって、タスクを再開したときに、それまでやっていたことを容易に思い出すことができる。そのタスクを完了させるまでの時間は、一から始めるより時間よりも少なくできる可能性が高い。効率性が高まるのです。
なぜ「切りのいいところで終える」より「途中までやって終える」ほうが良いのか?
改めて記載しますね。
「新しいことを始めることへの抵抗」を避けることができる
「未完成で中断した作業をやりたくなってしまう」という効果を活用できる
「未完で中断したことは完了したものよりもよく覚えている」という効果を活用できる
いかがでしょうか。
「途中までやって終える」は、これら心理的な効果をうまく味方につけることができるのです。
難しいことはありませんので、一度試してみていただきたい。そして得られる効果を実感していただきたい。
「でも、途中で終わらせるというのは、どうも気持ちが悪いんですよね~。どうしても、区切りの良いところで終わらせたくなってしまいます。」
もしあなたがそう感じるなら、区切りを「内容」ではなく「時間」で捉えてみてください。
具体的には、締め切り時間を設けて、そこで強制的にタスクを終了させるのです。
この「時間を区切る」ことのパワーも見逃せません。