「石の上にも三年」をどう捉えるか?
こんばんは。
綾小路きみまろさんの『しょせん人生は自己申告』から、心に響く言葉をお伝えしています。
今日からは「転機について」の章に入っていきます。
今日お伝えする言葉はこちら。
・最初は「冗談じゃない」と怒られました。でも、石の上にも三十年。気付いたら、皆が私の冗談を聞きにくるようになりました。
「冗談」という言葉をうまく使った、きみまろさんらしい表現ですね。
そして、石の上にも「三年」ならず「三十年」。この3つの文章の流れの中では、さらに笑いを誘うような、軽い感じで書かれています。
でも、同時に、重みを感じるのです。このことをきみまろさんご自身が具現化しているからこそ。
「石の上にも三年」
冷たい石の上でも三年座っていれば温まってくる。つまり、我慢強く辛抱すれば報われる、という意味ですね。
この手の諺や格言は多い。「桃栗三年柿八年」も似たような意味合いを含んでいますね。
なにか、いかにも日本的なことわざだと感じますね。日本人は、辛抱強く我慢することを美徳として捉えている。
一方で欧米ではどうなのか? 英語表現から考えてみましょう。
「石の上にも三年」を英語ではどう表現するかご存知でしょうか?
答えは、
「A rolling stone gathers no moss.」
「moss」は「苔」を意味します。
直訳すると「転がる石は苔を得られない」という意味に。
これが少しわかりにくい。「苔」をどう捉えるかによって意味合いが変わってくる。
「苔」をポジティブなもの考えれば、日本の「石の上にも三年」と意味合いは同じ。転がるように次々と職や働き場所を変えていると、成功は得られない。
でも、「苔」をネガティブなものと考えると、「石の上にも三年」とは正反対の意味に。転がるように次々と職や働き場所を変えることによって、停滞を遠ざける、とでも訳しましょうか。
どうやら、同じ英語表現でも、国によって意味の捉え方は違うようで、日本と同じ意味合いの前者はイギリス、その正反対の意味となる後者はアメリカの解釈のようです。
面白いですね~。
でも、本当にそうなのか?
アメリカでの解釈は分かるような気がします。次々と職を変えてキャリアアップを目指す。そんな働き方がイメージしやすいですから。
一方、イギリスはどうなのか? イギリスは何度も旅しましたが、長期間滞在したことはなく、またキャリアの考え方について現地の人とあまり話したこともないので、正直分かりませんw 他のヨーロッパの国に滞在したときの印象では、ヨーロッパの人も次々と職を変えるような気がします。まあ、アメリカに比べればそのレベルは異なるとは思いますが。
日本的な解釈、つまり「我慢強く辛抱することを肯定的に捉える」考え方は、今後変わっていくかもしれませんね。
ジョブ型の雇用形態がいっそう浸透していくと思われますから。10年後には、アメリカ的な解釈になっているのかもしれません。
すみません、話がそれてしまいました。
明日は、きみまろさんの文章に話を戻しますね。