「好き嫌い」が激しい
こんばんは。
楠木建さんが定義する「幼児性」の二つ目
本来は個々人の「好き嫌い」の問題を手前勝手に「良し悪し」にすり替えてわあわあ言う。
についてお伝えしています。
続く文章を見ていきましょう。
本当は世の中の九割は「好き嫌い」でできています。にもかかわらず、それを勝手に良し悪しの問題だととらえてしまうので、「大学院に通ったって意味がない」とか、評価したり意見を言いたくなったりする。
「好き嫌い」は楠木建さんのお考えの中心をなす言葉の一つです。この言葉をタイトルにした著作が数多く出されていることからも、そのことがわかります。
『「好き嫌い」と経営』 東洋経済新報社 (2014/6/27)
『「好き嫌い」と才能』 東洋経済新報社 (2016/4/22)
『すべては「好き嫌い」から始まる』 文藝春秋 (2019/3/29)
一見、経営と好き嫌いなんて関連がないように思えますよね。
経営者たるものは好き嫌いで物事を判断しない。客観的に、論理的に事業を営むものだ。
そう考えてしまいたくなるのですが、実際のところそんなことはありませんw 会社勤めをしたことがある人は納得されると思うのですが、経営においても「好き嫌い」がまかり通っていますよねw いや、会社という企業だからこそ、それが色濃く、あからさまに現れるのかもしれません。
カリスマ経営者ともなると、その「好き嫌い」が個性とし映えることもある。
スティーブ・ジョブスのこだわりの強さは有名ですが、これも「好き嫌い」の表れと言えます。最近では、日本電産創業者の永守さんが社長を解任たしたことが話題になりましたが、これも「好き嫌い」が影響してるのではないでしょうか。実際のところはよく分かりませんが。
本当は世の中の九割は「好き嫌い」でできています。
この「九割」というのも面白いです。楠木建さんは、本当はほぼ十割が「好き嫌い」でできていると思いつつも、少し譲歩して「九割」にされたのではないかと勘繰ってしまいます。
「好き嫌い」があるのは悪いことではありません。それは自然なことですし、なくそうと思ってもなくせるものではありません。
問題なのは、
にもかかわらず、それを勝手に良し悪しの問題だととらえてしまう
ことなんですね。「好き嫌い」を手前勝手に「良し悪し」の問題ととらえてしまうのがいけないんです。
でも、これは多くの人が気づかずに犯している愚行だとも思います。
どれだけの人が「好き嫌い」と「良し悪し」を区別して考えることができているか。この二つの概念すら持っていない人が大勢を占めるような気がしてなりません。
かくいう私も、楠木建さんの文章に出会うまでは、そういう意識は持っていませんでした、恥ずかしながらw
明日に続けます。