「苦い体験」を思い出す
こんばんは。
「よし、パリに着いたら交渉だ!」
ヨーロッパで初めての鉄道旅。
オランダとパリを結ぶThalysという高速鉄道が遅れたことにより、フランス国内の高速鉄道であるTGVのチケットが無駄になるかもしれない。貧乏旅を標榜する私にとっては、何とか避けなくてはならない状況。
ヨーロッパについて初めての長距離移動で、こんな試練が待っているとは思っていなかった。でもやるしかない、という状況でした。
ホームにいる駅員さんが指し示していただいた方向に走り、チケットカウンターと思しき場所に到着。
そこで事情を説明するも、応対してくれたスタッフは取り合ってくれない。「英語は分からない」という雰囲気をかもし出して、フランス語と思しき言葉で何かを言っている。
食い下がる私に、ついに彼が英語で発してくれたのが
「I don’t know, I don’t know」
という言葉でしたw
その後もこのフレーズのリピートで、なんの進展もないまま時間が過ぎていく。
これが、ヨーロッパでの初めての鉄道旅で受けた洗礼でした。
そして、この体験が、フランスに対して少しネガティブな印象を持つに至るきっかけでもあったのです。
実際のところ、このパリのスタッフさんが何か悪いことをされたわけではありません。そもそもの原因は、Thalysという高速鉄道が遅れたこと。このスタッフさんには何の落ち度もありませんでした。
でも「もっと真摯に、親切に対応してほしかった」という気持ちは残ってしまったんです、私には。これが、後のトラブルの際に思い出されたんです。
ここで、その「後のトラブル」に話を戻します。
フランス国内の移動で「ストライキ」により、乗り換え電車が発車しないという事態。覚えていらっしゃいますでしょうか?
その駅は地方の小さな駅で、電車の本数は2時間に1本くらいしかない。
その時はアポがあったので、絶対に遅刻できない状況。
私は、引き上げようとしている車掌と思しき人に向かって走り出し、話しかけた。
「Bonjour, Monsieur」
「What is happening?」
彼は英語と思しき言葉を返してくれた。その中に「ストライク」という響きが聞こえたような気が。
「やっぱりそうか!」 ストライキ大国?であるフランスには珍しくない状況。
「これは自分の力ではどうしようもない…」と諦めつつも、大切なアポは逃せない。
取れる手段として思いついたのはタクシー。
でも、そうとう田舎なのでタクシーが待っているような駅でもない。どうやってタクシーを呼べばいいのか、そもそもタクシーは来てくれるのか。
さらには、目的地までそれなりに距離がある。タクシー料金は電車代の数倍はすると思われる。当時の私にとっては痛い金額になりそうでした。
この場面で思い出したのが「初めての鉄道旅での苦い体験」でした。
「うまくいかないかもしれないよな…」
とはいえ迷っている暇はない。駅の切符売り場のカウンターに向かいました。
明日に続けます。