旅で「断る」訓練 エジプトでの経験
昨日まで、トルコでの経験をお伝えしましたが、いかがでしょうか。
私は、これに限らず、他の国でもこのような経験をしています。懲りない性格です...(笑)
同じくお土産屋さんで経験した出来事があります。
今度の舞台はエジプト・カイロです。
私はカイロに3泊4日の旅をしたことがあります。
正確に言うと、土曜未明に現地に到着し、月曜早朝に現地を離れる、という弾丸旅行でした。
その当時、中東諸国は政情が不安定で、渡航に注意が促されていました。
でも、「どうしても行きたい」という気持ちを抑えきれず、また、「仕事に支障を与えないように」との考えのもと、非常に短期間の旅程で、旅立つことを決めました。
おかげで観光客が殆どおらず、ピラミッドを独り占めできました!。
その旅のなかで、現地のツアーで、バザールに立ち寄りました。ツアーと言っても参加者は私一人だけでした(笑)。
ガイドさんが付ききりで案内してくれました。閑散期に旅をすると、このようなメリットがありますよ。
ガイドさんから「僕はここでお茶を飲んで待っているから、バザールを楽しんできてね。くれぐれも迷子にならないようにね」と言われ、私は、一人でバザールの中に入っていきました。
バザールは主に中東諸国での「市場」のことです。中東を旅されたことがある方は分かると思いますが、バザールは入り組んだ、幾つもの小道の中に、多くの店がひしめき合っている迷路のような空間です。
どこも似たような風景なので、うっかりすると容易に迷子になってしまいます。
バザールの雰囲気を楽しむべく、私はどんどんと奥に進んでいきました。
その土地の珍しいものを見るのは楽しいものです。人々の活気に触れることも高揚感を高めてくれます。旅の醍醐味のひとつですね。
あるお店の前で、おじさんに熱心に入店を進められます。
特に目的もなく、また警戒心もなく、その店に入りました。
これが後のトラブルに巻き込まれるとは知らずに...。
入店し、店内を見回していると、「お勧めのものがあるよ」と言って、私を2階に連れていきます。
そこは狭い部屋で、香水の原液や置物といった商品が所狭しと並べられていました。
おじさんが「お茶でもどうだい」と勧めてきました。
私は少し嫌な雰囲気を感じ始めていましたが、断る理由も見当たらず、お茶をいただくこととしました。
確か「カルカデ」という、エジプトでよく飲まれているお茶だったと記憶しています。(トルコもそうですが、中東はとてもお茶好きな地域です。個人的にはモロッコのミントティーがお気に入りです。)
おじさんは、ある香水の原液を片手に、その素晴らしさを話し始めます。
「これは欧米で買ったら5倍はするよ」といった定番フレーズを繰り出してきます。
おじさんは話を続けながら、おもむろに部屋のドアを閉めます。
いつの間にか、狭い密室の中に閉じ込められてしまったのです!
明日に続けます。