旅で「断る」訓練 エジプトでの経験②
私は「まずい展開になった」と焦りを感じました。
「香水には興味がありませんので、結構です」とお断りします。
ですが、おじさんは諦めません。
おじさんは「置物はどうだね」といって、いくつかの置物の説明を始めます。
そして、「これをあげよう」といって、親指大の、小さな亀の置物を私に差し出します。
これも「返報性の法則」を利用した、お店の定番商法ですね。
私は「いや、結構です」と断りますが、しつこく私に渡そうとします。
ちょっとした小競り合いです。(笑)
しまいには「もらえ!」と睨みを利かされ、私の手の中に強引に押し込みます。
その後は、あからさまに高圧的な感じで、購入を促してきます。
「何か買わないとここから出さないぞ」と暗に示した態度です。
私は「絶対に何も買わない」と決めました。
「こんな思いをしてお金を払ったら後悔する」というと、「早くこの場から抜け出さなくては」という、焦りが入り交じった感情になっていました。
おじさんの圧力を感じながらも、「結構です」を繰り返す私。
だが、おじさんは私を解放しようとしません。
また長期戦です(笑)
ドアを閉められてから20分ほどだったと思います。
おじさんはため息をつきました。
そして「出てけ!」といった手振りをみせました。
私の粘り勝ち(?)でした。
この出来事も「断ることを訓練する」場であったと言えます。
また、高圧に屈しない「毅然とした態度」、環境に流されない「意志を貫く」といった、意思決定基準を貫く場であったとも言えます。少し大袈裟ですが…。
あそこで「何か」を買っていたら、「惨めな気分」だけでなく、「負け癖」を負っていたと思います。
何事も自分の生き方に繋がってしまいます。
人生の重大時にどういう姿勢で決断できるかは、日々の細事にどう対処するのか、で決まると思います。
このようなお土産屋での経験も、その意味で有用に活かせたと、自画自賛しています。(笑)
ちなみにその店を出た後、ツアーの出発時間が近づいていたため、最初に入ったバザールの入り口へと急ぎました。
ですが、案の定迷子になってしまいました...。どうやっても、もとの入り口に戻れないのです。
店の中で感じた不安以上に、心細くなりました(笑)
出発時間を10分ほど過ぎていましたが、ようやくもとの場所に到着。ガイドさんは優雅にお茶を飲んでいました(笑)。
自分の方向音痴っぷりを情けなく感じた経験でもありました。
ちなみに、亀の置物は今でも持っています(笑)。