「10年偉大なり、20年畏るべし、30年にして歴史なる」
こんばんは。
本日もこのブログにお越しいただきありがとうございます。
今日も鍵山秀三郎さんのお話を続けます。
昨日の記事では、鍵山さんのライフワークともいえる「掃除」についてお伝えしました。
あなたは、この状況でひとりで10年間もトイレを掃除しつづけることができますか?
私には到底できません。
鍵山さんは著書『やっておいてよかった』(PHP研究所)のなかでこうおっしゃっています。
「自分が取り組んでいるこの掃除は、心の荒みをなくし、穏やかにすることに役立っている。そう確信していたからこそ、虚しさやはかなさに負けることなく続けてこられたのだ」
「同時に、きれいに掃除しておくことが唯一、私が社員にしれあげられる感謝の気持ちではないかと信じていた」
と。
設立から12年が経ったころ、変化が起きました。
社員が自主的に掃除や洗車をするようになったのです!
その後掃除をする人数がだんだんと増えていきます。
さらに10年が経ったころ、ほとんどの社員が朝早くから車を洗い、会社と近隣の道路を掃除するように。「あの会社は掃除をする良い会社だ」と評判が立ってきます。
社員の掃除活動はとどまるところを知りません。会社から半径2.5kgの地域の道路・公園のゴミ拾い、資源ごみの分類作業、自治体公認のゴミ専用倉庫の建設へと広がっていきました。
「掃除のやり方を教えてほしい」と多くの人が訪ねてくるようになったのもこのころです。
会社設立から30年となる1991年には、鍵山さんと賛同者からなる35名による「日本を美しくする会」が発足。
掃除を実践する「掃除を学ぶ会」は日本全国にとどまらず、海外にも波及。日本のみならず海外からもマスコミやメディアの取材が相次ぎます。
「10年偉大なり、20年畏るべし、30年にして歴史なる」という中国の格言を地でいくかのようです。
掃除により社風がよくなったことが、同社の成長に影響を与えたと鍵山さんはおっしゃっています。
社員は職務規定や就業規則にではなく、社風に従って仕事をしている。社風が良くなれば、自然とよい行動をとるようになる。それがお客さまへの信頼につながったと。
設立15年目くらいには、少しずつお客様に認められるようなり、社員が自分たちの行いに自信を持つようになっった。
「あの会社の社員は態度や言葉遣いが良く、誠実だ」とのお客さまからの評価につながり、同社発展の基盤が固まった、と鍵山さんはおっしゃっています。
掃除とともに成長を続けたローヤルは、1976年に卸売りから小売りへと事業転換した後、1990年の株式店頭登録。1997年には東証一部に上場し、社名をイエローハットに変更します。
翌年、鍵山さんは同社の経営の一線から退き相談役に就任。同時に、「日本を美しくする会」の相談役に就任します。