「仕事」における「好き嫌い」
こんばんは。
今日は「仕事」と「好き嫌い」についての考察です。
以前にも書きましたが、「好きなことをやりなさい」「好きなことを仕事にしなさい」は良く聞くフレーズですよね。これは理想だと思います。
とは思っていても、そもそも自分の好きなことと仕事が結び付けられない。仕事ではなく趣味であれば好きなことが山ほどあったとしても。
例えば、あるアイドルのことを「大好き」だとしても、それを仕事とするとすれば、その芸能事務所に就職してマネージャーになるといった選択肢しかなくなってきます。
仕事においては、「好き嫌い」と「現実」との間に折り合いをつける必要があるのです、現実的には。
「具体的な好き嫌い」と仕事を結び付けるのは現実的ではない。難しい。
ここで、「好き嫌いの抽象化」が役立つことになります。
自分のそれまでの人生を振り返り、自分の「好き」を探してみる。
「大勢の人と一緒にいるよりは、1人でいるほうが好き」「上下関係が嫌い」といった好き嫌いがあったら「他人を管理すること、されることが嫌い」となるかもしれません。これをさらに抽象化していくと「仕事で人と深い関係を持つのが嫌」という考えに行き着くかもしれません。
こうして抽象化を重ねていくと、具体的な「好き嫌い」で見ていたときと比べて、自分が「好き」で、かつ「できる」仕事の選択肢が増えてくる。
例えば、「小さな会社の経理ならできるかも」「独立したエンジニアとして企業と契約する形態がもよいかもしれない」「保険会社の営業は無理だろう」といったように考えられるかもしれません。
楠木建さんは「好き嫌い」を尊重しながらも、あまりに具体的なレベルでは仕事とは関連づかない、とおっしゃっているのでしょう。
抽象化をして、自分の好き嫌いをより深い部分で知る。そうすることで、仕事の選択肢を広げる。そうやって現実と折り合いをつけていく。
折り合いをつける、というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
「折り合いをつける」は「自分が好きでないこと」に嫌々取り組む、ということではありません。
自分の好きなことを知り、その中で具体的な仕事に取り組むということです。
とはいっても、なかなか簡単ではなさそうです。
簡単でしたら、世の中の多くのサラリーマンが不満にまみれているはずはないですよね。
もしかしたら「好き嫌いのツボ」について考えなかったから嫌な仕事についている。そんな人が多数派なのかもしれません。
そう考えれば、「好き嫌いの抽象化による本性の探索」はやる価値があると思いませんか?
やらずに多数派に埋もれてしまう。そんな状況を避けることができるかもしれません。