パリのクスクス
こんばんは。
パリでクスクスを提供するレストランに入った私。フランス語のメニューの中から、スタンダードなクスクスと思われるものを指さし、料理が提供されるのを待ちます。
瞬く間にビールを飲み来てしまった私は2本目に突入。どのくらいの時間であったかは思い出せないのですが、料理が提供されるまでだいぶ待ったように記憶しています。待たされるとより期待が増しますよね。
ようやく供されたのは2つの鍋。1つの鍋にはクスクスが、もう1つには野菜たっぷりのスープが入っていました。ちなみにスープは「タージーン」といいます(当時は知りませんでした…)。
てっきり1つの皿に盛られているのかと思っていた私。クスクスをスープに運ぶのか、スープをクスクスにかけるのかもわかりませんでした。
最初の一口をどうやって食べたかのかは覚えていません。でもその美味しさに衝撃を受けたのは覚えています。野菜と肉のうま味が濃縮されたスープとクスクスの相性は抜群で、箸を、ではなくスプーンを口に運ぶのが止まりません。それなりのボリュームがあったのですが一気に食べきってしまいました。
笑顔で近寄ってくるウェイターさんに「美味しかった」ということを伝えます。といってもフランス語を全く知らない私は笑顔と身振りで伝えようとしたのですがw
そんな私に笑顔を返してくる彼。言葉がなくても気持ちは通じるのだな、と思っていた私に、彼が話しかけてきます。「美味しかったか?」とでも聞かれていると思った私は「ウィ」と答えました。
いったん店の奥に戻った彼が手にして戻ってきたのはクスクスが入った大きな鍋。大きなスプーン上のへらで、しきりにクスクスをすくっては落とすという動作を繰り返します。
そして、彼はおもむろに食べ終えた私の鍋にそれをよそったのです!
美味しかったとはいえすでに満腹状態に近かった私。でも断るわけにはいきません。もうよそられてしまったのですから。
でも、「スープも食べつくしているし、どうしようか。さすがにクスクスだけでは食べられないな」と思っていた私の心配をよそに、彼はスープも鍋に持ってくれたのでした。
後で知ったのですが、クスクス粒とタージーンのお替わりは無料で提供されるのが一般的です。
食べ過ぎ感はあったものの、大満足で店を後にした私は、すっかりクスクスの虜になってしまいました。
この経験が「本場のクスクスはもっと美味しいに違いない。絶対に北アフリカに行かなくては!」という思いを募らせるきっかけとなりました。
私がモロッコの旅を実現したのは、その数年後でした。
明日に続けます。