後世語り継がれる政治家のユーモアセンスを見る
こんばんは。本日もお立ち寄りいただきありがとうございます。
「和製チャーチル」と言われた吉田茂。チャーチルとの共通点は、葉巻とふくよかで迫力のある容貌。それだけではありません。そのワンマンぶりとユーモアのセンスを見逃してはいけません。
昨日はチャーチルのユーモアセンスを物語るエピソードをお伝えしましたが、吉田茂も負けていません(べつに勝負はしてはいませんが…)。
彼のユーモアセンスが光るエピソードとしては、マッカーサーとのやり取りが有名ですね。
戦後に深刻な食糧難に直面した日本。吉田茂は政府統計をもとにマッカーサーに450トンの食糧支援を要請します。
マッカーサーはこの要請を了承。しかし実際に届けられたのは70トン。でも、この70トンで食料が余ってしまうという結果に。
マッカーサーは吉田茂にこう詰め寄ります。「450トンも必要なかったじゃないか。いったいどんな統計をとったんだ。日本の数字はずさんだ!」
これに対して吉田茂はこう返したと言われています。
「日本の統計が正確ならあんな戦争なんてしませんよ。もし正確なら、したとしても勝っていたはずです。」と。
これにはマッカーサーもつい笑ってしまったといいます。
秀逸ですよね。だから私たちはユーモアのある政治家を愛する。難局でもユーモアを繰り出す吉田茂を愛するのですね。
そして有名なエピソードがもう一つ。
晩年の大磯での出来事。高齢になっても若々しい吉田茂に感心したある人物が、彼に健康の秘訣を尋ねます。
「それはあるよ。だいたい君たちとは食い物が違う」と答える吉田茂。
「そういった食べ物があるのならぜひ聞きたい」との問いに対し、吉田茂はこう返します。
「それは君、人を食っているのさ」
この「人を食っている」にはもう一つ逸話がありますね。
日米修好通商百年祭に日本の代表として訪米した吉田茂は、記者団に元気な様子を褒められます。
「元気そうなのは外見だけ。頭と根性は生まれつきよくないし、口はうまいもの以外受け付けない。耳の方は都合の悪いことは一切聞こえません」と応じた吉田茂。
健康法について問われた吉田茂はこう言い放ったと言われています。
「はい、強いてあげれば人を食っております」と。
最後に、私が好きな逸話をもう一つ。
会いたくなかった客人に対して居留守を使った吉田茂。その居留守がばれて講義をされた際に吉田茂が返した言葉。
「本人がいないと言っているのだから、それ以上確かなことはないだろう」
和製チャーチルこと吉田茂と本家の共通点としてユーモアセンスについてお伝えしました。
このユーモアのセンスがあったからこそ、大政治家として称えられ愛された。私にはそう思えるのです。
ユーモアセンスを身につけたい。そう思わされるエピソードの数々に魅了されました。