「内省日記」の3つのプロセス
こんばんは。
田坂広志さんの『人生で起こること すべて良きこと』からの学びについて今日も続けます。
「自分の感情や思いをありのままに表に出す」プロセス、すなわち「感情の開示プロセス」についてお話ししました。
それに続くのか「感覚の浮上プロセス。」というものです。
田坂広志さんの文章を引用します。
心が少し冷静になり、自分で書いたその文章を改めて読み直すと、ふと心の奥から「言葉にならない感情や思い」が浮かび上がってくる。それは、すぐに言葉にならないか、書いた文章そのままの感情や思いではなく、少し違った、別な感覚や思いが、心に浮かんでくる「感情の浮上プロセス」とでも呼ぶべきもの。
私にはこのプロセスが欠けていた。このプロセスがないと、ただ怒りや苛立ちという感情に引きずられるだけ。それならば、日記にありのままの感情を書くことはかえって毒になる。自身の体験と重ね合わせてそう認識できたのは収穫でした。
田坂さんは「別の感覚や思い」と述べられていました。これは最初の「感情」とは反対の「感覚」で、他者への嫌悪感、もしくは自身への嫌悪感が、あるとき逆の「感覚」になると説明されていました。他者を自分を嫌悪しきれない感覚、さらには肯定する感覚。
こういう感覚は誰しも抱いたことがあるのではないでしょうか。
私は確かにあります。でもそれは意図してではなく、偶然の産物として。その裏にあるメカニズムを知ると、自ら活用したくなりますよね。
私に欠けていたのは、最初の感情とは逆の感覚が浮かび上がってくるというプロセス。このことを知ったのも大きい。
田坂広志さんの文章からの引用を続けます。
「感覚の浮上プロセス」の次は「意味の結晶プロセス」がやってくる。言葉にならない「感覚」の中から、その出来事の「意味」が浮かび上がってくる。
「内省日記」は「感情の開示」「感覚の浮上」「意味の結晶」という3つの心理的プロセスを辿っていく。
「内省日記」を書くことで、この3つのプロセスを経ることで、「引き受け」ができるようになる。
「真の強さ」を身につけるためにも、「内省日記」に取り組みたい。そう思わされました。
それまで日記を書き続けてきたものの、「内省日記」のすべてのプロセスは踏んでいませんでした。私の日記は「感情の開示」プロセスまでだったことを認識。さらに高みを望むには、次のプロセスが必要。この学びは大きかったですね。
この後、田坂広志さんは、他者とのかかわりに重きを置いて文章を進めていかれたように記憶しています。
少なくとも私のメモではそうなっています。
人間関係について思いを巡らせることの多い私にとっては、一番ありがたい部分であったとも言えます。
自分が抱く負の感情の本当のところをズバリ言い当てられただけでなく、実生活で使える具体的な技法が示されている。
ここは見逃せない部分となります。
明日に続けます。