「outside the box」の本当の意味とは?
こんばんは。
Patricia Ryan Madsonさんの『improv wisdom Don’t Prepare, Just Show Up』、5つ目の格言である「be average」。
「be average」は、多くの人が願ってやまない「クリエイティブ」と大いに関連があります。
「違い」や「個性」は「クリエイティブ」であることに必要な要件として思い浮かぶキーワードですよね。でも、Patriciaさんは「違い」や「個性」を追い求めるのはやめなさい、と言います。逆説的に聞こえますよね。
さらには、クリエイティブであるための考え方として、広く認識されている、そして信じられている一つのキーフレーズについて言及します。
その文章をもう一度見てみましょう。
There is a widespread belief that thinking “outside the box” (some call this the goal of creativity) means going after far-out and unusual ideas.
そう、「outside the box」という表現です。クリエイティブであろうと志した人は、必ず聞いたことがある表現ではないでしょうか?
「outside the box」は、「箱の外で考える」、つまり「固定観念に縛られない」、「独創的」という意味になります。
これは何となく分かりやすい。こうできればクリエイティビティを発揮できそうですからね。そして、独創的なアイデアを追い求めるぞ! というように考えるに至るんです。
でも「独創的なアイデアを考え出すぞ!」と思っても、そんなアイデアがすぐに考え出せることはありません。そもそも独創的なアイデアというのは、「考え出す」のではな「思いつく」もの。私はそう思っています。いくらうんうんとうなっても、その場でひねり出せるものではないと思います。あなたはどう感じますか?
「独創的に考える」は「outside the box」の本当の意味を履き違えているようです。
Patriciaさんの文章を見ていきます。
A true understanding of this phrase means seeing what is really obvious, but, up until then, unseen.
「outside the box」が本当に意味することは、それを見ることができるまでは見えない、本当に明らかなことを見ることである、とPatriciaさんは言います。何か突飛なことを考え出すのではなく、本当は一目瞭然だけで見えていないものを見ることである、と。少し難しいかもしれません。次の文章のほうが分かりやすいでしょうか。
“The real voyage of discovery lies not in seeking new landscapes but in having new eyes,” said Marcel Proust.
発見の本当の旅は、新しい風景を探し求めることにあるのではない。そうではなく、新しい目を、新しい視点を持つことにあるのだ。
フランスの小説家Proustさんの言葉を引用されています。
新しい何かを探し求めるのではなく、自分の目の前にあるものに気づくこと、と言い換えられるでしょうか。本当はそこにあるのに気づいていないもの、気づくまでは見えなかったが、見えるようになると明らかにそこにあったもの、を見つける。
「outside the box」は、突飛で独創的なものを探すのではなく、新しい視点で、目の前に明らかにあるものに気づくこと。
この捉え方は一つの救いです。クリエイティビティは才能ではなく、誰もが手にできるものと言えるからです。
あなたはどう感じますか?