「解決」と「予防」 「評論」と「実務」
こんばんは。
「頭のいい人は問題を解決するが、賢明な人はそれをあらかじめ避けるものだ」
これはアインシュタインの言葉だそうです。ご存知でしたか?
「頭のよさ」と「賢明さ」の違いは何なのか? 気になるテーマですね。
とはいっても、今日このテーマについて書きたいわけではありません。
今日のテーマは「解決」と「予防」です。
「解決」と「予防」という観点から、世の中の現実を見てみたいと思っています。
世の中では「問題を解決すること」が称賛されます。そのようなストーリーが世の中にあふれています。
ビジネスの世界がわかりやすいですね。かつてカルロス・ゴーンが日産自動車を再生させたのはその一つの例。数多くの企業再生物語が語り継がれていますよね。
メディアでたびたび称賛される企業再生人、名経営者。これが「問題を解決する」ことの評価を助長することにもつながっています。
このような風潮において、私たちが忘れがちなことがあります。
それは「問題が起きないように未然に防いでいる人」が存在するということです。
そして、本来は、そういう人こそが評価されるべきであるということ。
哀しいことに、そういう人はなかなか評価されない。その人がしたことを知っているのは、周囲の限られた同僚やチームのみで、上司や上層部は認識していないことが多い。そして、その人が引き立てられることはない。
それよりも「問題を解決した」という目につきやすいことをした人が評価される。その問題が起きたのが、彼が予防に無頓着であったのが遠因だったとしても。
少し話はそれますが、この「解決と予防」の関係と似ていると思うのが、「評論と実務」だと感じます。
正確にいうと対比する関係ではありませんが、ビジネスの世界でよくあることですので、ここで書かせていただきます。
ある組織において何か問題が生じます。そういう場面で、その問題に直接関係していない人が「原因と対策」を我が物顔で語るようなことがあります。あなたもそういった体験はありませんか?
その問題に対処している実務者の苦労や感情などは考えずに、正論を述べながら自分の能力を誇示しようとする。
確かにその実務者には落ち度はあったかもしれない。ただ、他人が(遠回しでありながらも)それを批判する。そして、自身の有能さを周囲に伝える。
こういうことは表だってやられることもあるし、陰でコソコソとやられることもある。そして、得てしてそういう人が引き立てられてしまったりする。
最近友人からこの手の話を聞きました。彼からしか話を聞いていませんので、それが事実かどうかは分かりません。
でも、こういう話は世にあふれていますよね。これが現実です。ある意味「諦めるしかない」ものかもしれません…。
明日に続けます。